1985年にデビューしたミラTR−XXは当時の軽ターボが軒並み40馬力程度のパワーだった時に50馬力のハイパワーで衝撃のデビューを果たしたものの、DOHCターボエンジンを引っさげて登場した三菱ミニカ・ダンガンやスズキアルト・ワークスが64馬力のハイパワーで一気に優位に躍り出た。
1989年からの軽自動車枠改正による排気量660ccへの拡大を控えた中で、ダイハツが打ち出した対抗策は「現用エンジンEB20キャブターボ)のEFI化とブーストアップによるハイパワー化」だったのである。
既にEFI化はTR−XX発表時点でEFI搭載車がモーターショーで発表されており、そうしてまず生まれたのが58馬力のEFIターボエンジン「EB25」。これをさらにブーストアップしてライバルと肩を並べる64馬力を発生し、姉妹車リーザTR−ZZともども搭載されたのが「EB26」である。
(余談だが、SOHC2バルブエンジンでリッター当たり出力が100馬力を超える市販車エンジンってこの二つくらいでは?)
実際にはキャブターボに比べて車重の増加と電子制御の若干の違和感など、フィーリングの面で絶好調の時のキャブターボ車に及ばない面はあったものの、ダイハツの維持を見せたモデルとして660cc車へのバトンタッチの役割を果たした。写真は私が2003年1月まで所有していた1989年式TR−XX(EB26)。