かつてダイハツが世に問うた画期的なコンパクトカー「シャレード」。
クルマが年々大型化していく中であえて1リッターエンジンの小型車を登場させ、ヒットさせたのは今から30年近く昔の話だ。エンジンもボディもコンパクトで、十分な実用性と高い経済性。今のトヨタ「ヴィッツ」に通じるものがある名車。そして「シャレード」にはラテン系ホットハッチとしての系譜、「シャレード・デ・トマソ」が存在した。
初代G11シャレード・デ・トマソターボに続くG100シャレードGT−XXを挟み、復活した二代目G201シャレード・デ・トマソ。
エンジンこそアプローズやロッキーに搭載されたSOHC16バルブの1.6リッターエンジンHDのファインチューン版でカタログスペック的にそそるところは無かったものの、車重わずか800キロ台の1.3リッタークラスのボディーには125馬力のテンロクSOHCエンジンでも十分で、熱い走りが楽しめた。
2000年、21世紀を目前にしてシャレードはその役目を終えて生産を終了。シャレード・デ・トマソが生産を終えたのはそこから遡ること2年、1998年の事である。
リッターカークラスのクルマに1クラス上のエンジンを搭載し、スポーティーに仕上げる。このヨーロッパ的手法は古くは初代カローラ・レビン/スプリンター・トレノ、そして最近ではヴィッツRSにその例が見られるが、このG201Sシャレード・デ・トマソもその1台であった。
サファリラリーへのチャレンジもG100SシャレードGTで幕を閉じ、国内ラリーもミラ、そしてストーリアX4へと受け継がれていった系譜の中にはもはやシャレードの姿は無い。しかし、現在ダイハツが国内唯一の全国規模のメーカーワンメイク・ジムカーナ「ダイハツチャレンジカップ」では、まだまだ多くのG201が現役で活躍し、根強いファンによって中古車市場では隠れた人気車となる要素も?
ホンダやトヨタや日産もいいだろう。しかし、ダイハツを忘れてはいけない。熱い魂がここにはある。